牧之原市/築90年 古民家再生
牧之原市/築90年 古民家再生住宅
牧之原市/T 様邸
依頼内容
時代ごとに少しずつ手を入れながら住まわれてきたT様邸。
築90年になる家を壊さず、これからも安心して暮らせる家にしたい、とご相談を頂きました。
主なご希望は3つ
① ずっと屋外にあったトイレを家の中に作りたい、お風呂も古いので新しくしたい。
② 居間と食堂が分かれていて食事の時に狭いので、2間を繋げて開放的なLDKにしたい。
③ 元々は土間だった部分に床を貼っているため、段差が多いのでバリアフリーにしたい。
リフォームのポイント
元々土間だった部分の床高を、座敷だった部分に合わせると、かなり床が上がって天井が低くなります。
解体時に天井を取ってみるととても立派な梁が出てきたので、梁をあらわしにして天井を上げ、LDKの一部は天窓にして開放感のある間取りをご提案しました。
天窓は通常の壁窓に比べて、約3倍の採光があります。
北向きの天窓なので陽射しも柔らかく降り注ぎ、窓の取れない場所も明るくなります。
古民家など、古い建物の場合は基礎がほとんど無い場合も多くあります。こちらのT様邸もそうでした。
ジャッキで家を上げて、コンクリートで基礎を作りました。
断熱材で床・壁・天井を全て包み、窓はシングルからペアガラスに取替え、冷暖房の効きのいい省エネ住宅に生まれ変わりました。
安心の水廻り
リフォームの一番の目的は、ずっと外にあったトイレを室内に作ること。
水廻りは一箇所にまとめているほうが便利なので、浴室・脱衣所・トイレを玄関横に作ります。
団欒のLDK
仕切られていた食堂と居間を、LDKとして一つの空間にします。
窓も少なく天井も低いので、開放感を出すため天窓で明かりを採ることにしました。
使いやすい玄関
もともと広いホールだったので収納を大きく作ることが出来ました。
玄関からは左右二箇所から上がることができ、収納中心にぐるりと回れるつくりです。
築90年
解体時、天井を剥すと立派な梁がありました。
「子供の頃はこの梁が見えていた」と懐かしむお施主様。
梁をあらわしにすることで開放感も生まれ、何より築90年の歴史を感じられます。
90年前の建物なので、構造はもちろん無垢材。素晴らしい梁や柱を使っています。
構造躯体(土台、柱、梁、屋根)のみに解体してから耐震・耐久・断熱・遮熱を高めてつくっていきます。
天井を剥すと、こんなに立派な梁が出てきました。天井を貼る前、お施主様が子供の頃見ていた梁です。この梁を生かしたリフォームをすることにしました。
20数年前のリフォームでクロスを貼った際に隠れた、昔の壁が出てきました。竹の下地に藁を混ぜた土壁です。
既存は室内に段差が多かったのですが、今回のリフォームで床高を揃えてバリアフリーにします。
基礎が必要になるため土台と柱の水平垂直を整えてから、コンクリートを流して基礎を作っていきます。
柱はそれぞれ2〜3cmずれているということで、垂直に直して固定していきます。
構造躯体がしっかり水平垂直になっていないと、これからの作業が全てずれていってしまうので、手間は掛かりますがとても大事な作業です。
柱の補修、傾きの補修で分かりやすい箇所がありました。
写真の矢印の部分、黒い柱の左側に、上は厚く、下に行くにつれ薄くなっている補修材が見えますか?
窓サッシは水平直角なので、ちゃんと収まるように柱もまっすぐ仕上げなければいけません。古い建物は柱の傾きが全部少しずつ違うので、一本ずつ補修していきます。
床がブカブカして危ないところも多かったので、床を支える大引きと束、束石も新しくします。土間のある家らしく、座敷側の床に合わせて作り直すので、床下が高く風通しも良い環境です。
LDKとなる北側の部屋は天井が低く日中も暗かったのですが、吹き抜けの部分に天窓をつけて陽射しを取り込みました。
天窓なら日中は長時間陽射しが降り注ぎます。採光量は一般的な壁の窓に比べて約3倍!暗くなりやすい北側におすすめです。
今までは隙間風にも悩まされていました。
壁とサッシ枠のわずかな隙間もウレタンで埋めたので、これからは隙間風はもちろん心配ありませんし、冷暖房も逃げません!
築90年の古民家の太い梁を生かして、なおかつバランスの取れた内装にするには、上質で存在感のある無垢材がぴったりです。
床は赤松無垢材の30mm厚を施工し、バリアフリーに仕上げます。
天井の下地の間に断熱材を敷き詰めました。床も壁も同じ材料で、同じ施工です。
家自体にすき間が多く、屋根裏も大きいので冷たい空気が降りてくるので、正直、床と壁の断熱を入れた時点ではまだ寒さを感じましたが、天井に断熱を入れ終わったら包まれるような暖かさが生まれました!
梁のカーブに合わせて、曲線を描寸し、一枚一枚ボードを切り出していきます。
ピタッと隙間なく当てはまりました。
手間を掛けた分、キレイな仕上がりに直結します。
壁にはクリーム色の珪藻土クロスを貼り、梁はこげ茶を塗り重ねました。
ダイナミックな梁が、新築では手に入らない歴史を感じる雰囲気をかもし出しています。
▶ Before – After
Before
After
建具で仕切られていた2間を間取り変更し、段差をなくして21帖のLDKにしました。
掃き出し窓は1枚になりましたが、その分収納を増やしダイニングテーブル上に天窓をつけて採光をとっています。
▶ キッチン Before – After
Before
After
以前のキッチンは壁を向いたI型で、部屋を広く使うには一番なのですが、21帖のLDKになるので対面キッチンに向きを変えました。
テレビを見ながら、家族と話しながら食事の支度ができますね。
構造上、抜けない柱がキッチン正面にあるので赤松の化粧板で包んで仕上げました。
▶ ダイニング Before – After
Before
After
ダイニングテーブル上に天窓をつけて、かなり明るくなりました。
炊飯ジャーの位置はテーブルに近いほうがいいということでしたので、テーブル後ろは収納をやめて棚にしました。
ご家庭ごとに便利な配置は変わります。
特にリフォームの場合は、現在の暮らしがあってのリフォームなのでプラン作成前に「こういう風に動いている」「こういう風に生活している」というのを詳しくお聞きしています。
▶ 吹き抜け・天井 Before – After
Before
After
天井が高くなったのでファンも付けました。
インテリアのアクセントとしてはもちろん、空調の効きが良くなるので省エネ対策にも一役買っています!
▶ 玄関ホール
Before
After
▶ 玄関収納・こだわり
After
After
玄関ホール側の収納
After
廊下側の収納
玄関は右からも左からも上がれるようになっています。
以前の玄関ホールがとても広かったので、壁の両側に収納を作ることができました。
収納内部は総桐仕上げ。桐は消臭、調湿、防虫効果があるので靴も気持ちよく収納できます。
床と建具は赤松無垢材です。
赤松は経年変化で飴色に変わっていきます。
天井の梁の雰囲気を損なわないように、天然木と自然素材でまとめました。
▶ トイレ・洗面
After
以前は玄関を出て脇屋まで行っていたトイレがLDKからすぐの場所になりました。床は全てバリアフリーです。
After
トイレは0.75坪、広めの間取りがとれました。今後介助が必要な時もこの広さがあれば車椅子でも大丈夫です。
After
しっかりと個室になった脱衣所。
玄関からすぐの場所なので洗面台が近いのも便利です。
今回手をつけなかった西側も2年後に再生工事しました。
【牧之原市/築90年 古民家再生 施工事例】
ぜひ合わせてご覧ください!
■ リセット住宅
リセット住宅
築30〜40年以上前の木造建築の構造材は、築年数の間に乾燥が進み強度が増しています。古いからと解体してしまうのはもったいない良い材料である場合が多いのです。
それら構造を生かし、築年数をリセットして新築同様に仕上げる大型リフォームをリセット住宅と呼んでいます。
土台・柱・梁・屋根だけの状態に解体して骨組みだけにすることで、断熱、遮熱の施工で省エネ性能が上がり、構造用合板でのパネル補強もきっちりと施工できましたので耐震性も抜群です。